001.物は試しって言うじゃない

http://sinkaron.tokinko.net >何でもありな100のお題  その1

 ――いつも、彼女の話は唐突だった。

「……は?」
「だ、だから、キスよキス!」
 真っ赤になって甲高い声で叫びかける少女の口を、慌てて少年は手で覆う。やたら熱い息が手にかかり、同時に少女の肌の柔らかさに驚きながら、それでもあたりに視線を走らせる。
 幸い、誰かが通った気配も通る気配もない。ほっと胸をなで下ろし、少女に「大きな声を出すなよ」と釘を刺してから手を離した。
 少女はうつむいているが、その顔が真っ赤になっているのは誰にでもわかる。手に残る熱い感触をさりげなくズボンで消そうと思ったのだが、上目遣いの少女の視線に気圧されて止まる。
「物は試しって言うじゃない」
 そう言って少女は紅潮した顔を持ち上げ、真っ直ぐに彼の瞳を見た。
 それがこじつけの理由であるのはわかっている。だから少年は答えた。
「そうだな、そう言うもんな」

「……は?」
「だ、だから、言わなくてもわかりなさいよ!」
 その日、少女の家には誰も居なかった。大きな声を出されても前のように口をふさぐ必要はないし、そもそも近すぎる。ほんの数センチ近寄れば触れる距離。
 少女の部屋からは特有の甘い香りがした。少女の狼狽ぶりは彼を落ち着かせるが、同時に少年の期待を膨らませる。
「だ、だから、物は試しって言うじゃない」
 いつかのように真っ赤な顔をしながら、少女はまたそう言った。それはあまりにいつも通りだったので、今度は若干の苦笑を浮かべながら応えた。
「お前、そればっかりだな」

「……は?」
「だから、物は試しって言うじゃない。そういうことよ」
 やはり、それも唐突だった。
 彼女はそんないつもの言葉だけを残して、少年の前から姿を消した。

 人伝に、少女には婚約者が居たのだと知った。

そして突然何か初めて見るてすつ。
上のところにリンクおいたけど、そちらさんでやってる「お題」ってやつにね、チャレンジしてみつつ。ほら、前にSSとかやってたじゃない。ああんな感じでね。……って言うか結構書いたのねアレもw
 
お題の内容は先方で見てもらうとして、とにかくその第一歩。期限決めたりするつもりは無いのでゆっくりとね。やりたいことは多いんだけどねぇ。思い立っちゃったんだからしょうがない(ぁ
まぁ気楽に読み流してくだされいw